理性と感情

山田ズーニー

この方は元々ベネッセで進研ゼミの小論文編集長をされ、現在はその経験をもとに文章の書き方やコミュニケーションについて非常に面白い本を書かれている。

ほぼ日刊イトイ新聞のコラムに連載されていることの方がもしかすると有名かもしれない。

この方の本はよくあるマニュアル本的な「論理的思考力」とか「コミュニケーション力」とかではなくて、もっともっと本質的な部分をやさしく教えてくれる。

かといって、内容は大変充実しており、何度読んでも勉強になる。そういった意味では他のマニュアル本とは一線を画す。

事実、以前研修の場で出会ったある人事系コンサル会社の方もおすすめ本として山田ズーニーさんの著書「伝わる・揺さぶる!文章を書く」を挙げられていた。

今回再度読んだのは彼女の「あなたの話はなぜ通じないのか」という著書。

あなたの話はなぜ「通じない」のか (ちくま文庫)

あなたの話はなぜ「通じない」のか (ちくま文庫)

 

 ただのよくある小手先のコミュニケーションテクニックを教えるのではなく、まずは「メディア力」をつけろという切り口で説いている。

メディア力とは自分という人間の信頼である。

同じ「ついに宇宙とコンタクト」という記事でも日経が伝えるのと東スポが伝えるのではその意味は大きく異なってくる。

関係性の中でいかに自分自身の信頼を高めていくのか、そうした切り口で一貫しているので非常に面白い。お勧めです。

そんな中で特に興味深かったのは「論理を磨いて正しいことは正しいと言えるようになっても嫌われるだけ」という部分。

正論を拒むのが人間の本能だと著者は説きます。正論は強い、正論には反論できない。また、正論を言うとき、自分の目線は必ず相手より高くなっているという。

だからこそ、正論を言うときは関係性をしっかりと考え抜く必要がある。教えようとする人間を好きにはなれない。

相手の指摘が外れていればそれくらいわかっているという気持ちになり、相手の指摘が当たっていれば自分の非が明らかになり、いっそう腹が立つ。

だからこそ、望んでもいない相手に正論を振りかざすのはいけない。
理性より感情のほうがずっとコミュニケーションスピードが速いために、正論を理解する前に相手は「自分を傷つける人間だ」と警戒する。

それも冒頭の「メディア力」低下の一つなのだという。

理性を得意とする男、感情を得意とする女

ここからは山田ズーニーさんとは離れて、正論と感情の話に脱線します。、
正論は主に男が得意とし、感情を重視するのが女であるととあるWebサイトに書かれてました。

「さみしい」という女性に対し、男性は「先月は○回も会った、クリスマスにはこんなことをしてあげた、」と論理の積み重ねで「さみしくないはずだ」と説く。

しかし、女性にとってはこんなことは答えになっていない。
事実、感情として「さみしい」ということが問題であり、理屈はどうだっていいと思っている。

これには男と女の成り立ちが関係しているという。男は昔から集団になって狩猟や戦いの場に行った。
そんなときに一人が感情的になって逃げたり叫んだりしてしまったらグループ全体が危険にさらされてしまう。

感情は安全や成果を遠ざけるものであったため、男はどんどん感情を排除していった。
それに対して、女性は感情で自分の気持ちを伝えることで相手との信頼関係を構築していく生き物だという。
そういった部分の真偽の程は定かではありませんが、理屈と感情という部分で男女間で大きな違いがあることは間違いないと日々痛感しておるわけです。

家族と恋人に対して「論理的思考力は絶対に使ってはいけない」
(by とある人事系コンサル会社の講師)

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