最近、カフェで時間を使うことを覚えた。
学生の頃はファミレスやファーストフードで勉強する人の気持ちが分からず、自分の部屋でこそ集中できるんだというポリシーがあった。
学生だと休日にやりたくないけどやるべきことはテスト勉強でしかないわけだが、社会人になれば、それはもっと漠然としたものになる。
例えば、来週の大まかな案件スケジュールをまとめてみたり、業務レポートなるものの構成を考えてみたり、またスキルアップのための読書をしたりということになる。
そしてこれらの作業はインターネットやテレビ・雑誌・買い物といった休日だからこそできる魅力ある欲望の数々にことごとく負けてしまう。
やるべきだと思っててもなかなか手がつけられない。
そんなこんなで自己嫌悪に陥りながらも、最近は冒頭のように、カフェで時間を使うことを覚えた。
長くても3時間くらいしか滞在しないけど、その決められた時間内で嫌がおうにも集中するし、何よりテレビもネットもない。
今日もレポートの下書きを2時間で仕上げ、来週の予定を30分でまとめあげ、残り1時間で読書に励んだ。
効率いい。満足する時間になる。
でもスタバを含めたシアトル系カフェ以外でこういう時間を過ごす気にはなれない。
コーヒーそのものなら、コダワリの喫茶店の方がうまいんかもしれない。
しかし、店内に流れるジャズ、エスプレッソマシンのシューッという音、粉を取り出すためにバリスタがフィルタをたたく音、店員の元気なかけ声、、それら全てが程良いBGMとなって気分も落ち着く。
スタバではコーヒーを飲むことそのものを楽しむことができる。まさに、スターバックスエクスペリエンス。
そういや、スタバについてこんな本を読みました。
- 作者: ハワードシュルツ,ドリー・ジョーンズヤング,Howard Schultz,Dori Jones Yang,小幡照雄,大川修二
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 1998/04/23
- メディア: 単行本
- 購入: 12人 クリック: 187回
- この商品を含むブログ (57件) を見る
まず冒頭びっくりしたのがスタバの生い立ち。 スターバックスが誕生したのは1971年。
しかし、厳密に言えばこのスターバックス=今のスターバックスとは異なる。
スターバックスはもともとコーヒー豆の専門店であった。それに惚れた一人の男がスターバックスの経営に参加することとなった。
そしてその男がイタリアに行った際、エスプレッソバーという存在に触れ、バリスタとの会話やカフェラッテという、当時のアメリカにはなかったものを発見し、その魅力にとりつかれた。
その男は経営陣にスターバックス店内にエスプレッソバーをもうけることを提案した。快くは受け入れられなかったが、試験的に導入することを認められ、
結果、大行列ができるほどの大成功を収めた。 しかし、それ以上の展開を許されなかった。
お客が混雑しすぎたら、これまでのようにコーヒー豆の丁寧な説明ができなくなる、エスプレッソコーヒーを提供することはこれまでのアラビカコーヒーというコーヒーのルーツから逸脱することになる。
これが生粋のコーヒー豆屋であるスターバックスの出した答えだった。
そしてその男が出した答えはスターバックスを離れることであった。男はイル・ジョルナーレという店を展開することとなる。
スターバックスの援助もあり、結果的には大成功をおさめる。 そして、イル・ジョルナーレがスターバックスを買収することとなる。こうして現在のスターバックスが誕生した。
というわけです。
ちょいとした雑学ですが、豆屋としてのプライドとエスプレッソバーとしてのプライドが現在のスタバをスタバたらしめているといってもいいでしょう。
他にもこの本には低脂肪牛乳の導入・フラペチーノの導入を最後まで経営者は拒み続けたエピソードや日本への進出、などなどおもしろいエピソードがもりだくさんです。
ぜひオススメです。