司馬遼太郎。いつもとは違うジャンルに最近、手を出してみました。
松山出身の歌人正岡子規と軍人の秋山好古・真之兄弟の三人を軸に、維新から日露戦争の勝利に至る明治日本を描く大河小説。
特に歴史が好きだったわけでもないのですが、とにかくおもしろい。
明治維新や日清戦争など、教科書では暗記単語の羅列としか認識していなかった出来事にこんな世界があったのかとしみじみ思いながら読んでます。
明治維新という誰もが立身出世を目指した時代に、主人公たちが自分の人生の意義を見出し、必死で努力していく姿から学ぶべきことがたくさんありました。
ミステリーとかエッセイとかいろいろと読みますが、こういった名文学ってやつは全く別の面白さがあります。
東野圭吾や宮部みゆきの本は大好きで、こちらは次の1ページをめくるのが楽しみだったり、もうちょっと読みたいなと思って寝不足になったりする面白さがあります。
しかし名文学は違います。
まったくもってその時代の生活を知らない、その場所に行ったこともない自分があたかもその世界にいるような感覚を味わえる。
この感覚ってたぶん、こういう作品でしか味わえない感覚だと思ってます。
藤沢周平の「蝉しぐれ」なんかもまさにこんな感じです。
映像では味わえないこの感覚を味わえることが、本を毎日読み続けるただ一つの理由だったりします。
読みなれないうちは、なかなか頁が進みませんが、序盤を越えれば一気に読み進むこと間違いなしです。
ご一読を心からおすすめします。