自分の仕事柄、新入社員と接する機会がたくさんあり、心が疲れたり傷ついたりしてしまっている社員と対応することも多い。特に今年はそんな一年でした。。
そんな出来事に直面して色々と自分なりに勉強しましたが、最近の若者が決して「弱い」とか「甘い」わけではなく、育ってきた時代背景や今の社会環境が心が「すりへりやすい」状況を作っているということにあらためて気付かされました。
そうしたことを前提に、その環境の中で、いかに「すりへらない心」を作っていくか、少しでも新入社員にアドバイスをしていければと思ってこんな本を読んでみました。
著者である心屋仁之助さんが優しく語りかけてくれるような中身になっており、自分の立場に置き換えて想像しながらじっくり読んでいるうちに、アドバイスに活用するつもりで手にとったものの、読後は自分がカウンセリングされたような感じでした。
自分自身、どちらかと言えば「気にしい」の性格ですが、あまり悩みやストレスを抱え込むタイプではなく、そこらへんのコントロールは上手い人間だと思っています。(そう思っている人間が一番アブナイかも知れませんが。。)そんな自分が何気なくやっていることが本書には結構盛り込まれていたので、セルフコントロールの方法について整理し、見つめなおす良い機会にもなりました。
★読書MEMO(ポイント)
1章 なぜ、心がすりへってしまうのか?
・心をすりへらしてしまう人というのは、「やりたいこと」より「やらなきゃいけないこと」を優先してしまう人。また、自分の「やりたい」より他人やまわりの「やりたい」や「やるべき」を優先させる人 →自分の中の「やりたい」「好き」という気持ちをもっと大事に。「本当はどんなことをしたいの?」を自分に問う
2章 職場の人間関係に少し疲れたときは
・「はず」と「気がする」の思い込みが積み重なって「絶対」になって距離が開いていく。そんな時は「すねてしまった自分」を認め、素直に「本当はどうしてほしかったのか」を伝える
・僕たちは自分の感情を自分で作っている。目の前の出来事に反応しているというよりも、過去の感情を再び味わっているようなもの。
・「空気を読む」実は、空気だと思っているものを読んでいるだけ。勝手に空気らしきものを作ってそれを読んでいる。空気とは「嫌われたくない」「怒られたくない」といった自分の不安。不安だから、自分を守りたいから空気を読む。勝手に作り上げてしまった空気にすぎない。
・短所や弱点をきちんと話せる営業マンが優秀なように、「弱さ」を表に出せる人が本当は強い。「聞き上手」になるより、弱さを表に出す。
・ネガティブな感情を飲み込むクセをやめる。飲み込みすぎると自分の思っていること、感じていることがわからなくなる。これが習慣化すると、自分がどんな思いを持っているのか、何が好きか何が悲しくて何に腹が立ち、何が楽しいかさえも気づかなくなる。感情はその都度、飲み込まずに出す、言う。思いついたらすぐ動く。
3章 嫌いな人、苦手な人がいる場合