ワタミ流子育て

 

ブログでも何度となく紹介していますが、ワタミ渡辺社長の著書だけは新刊が出るたびにチェックしています。根本思想は同じで、記述も重複する部分が多いですが、違った切り口で語られるため、毎度新鮮な発見があります。

父と子の約束 (日経ビジネス人文庫)

父と子の約束 (日経ビジネス人文庫)

  • 作者:渡邉 美樹
  • 発売日: 2007/12/03
  • メディア: 文庫
 

 今回の著書は「教育」という観点から書かれたもので、大変勉強になりました。今年から家庭を持つ自分にとってまさに参考にしたいことばかり。共感できた部分を中心に、読書メモをまとめてみました。

◆親と子どもについて

・親が子どもに卑怯な勝ち方を教え、結果、子どもは勝つために手段を選ばないようになり、結局はその子を不幸にする。愚かな親は愛情の表現を間違える。親の生きざま、親の時々の価値観の表現が、子供の人格形成にものすごく大きな影響を与える。

・父親が自分の子どもと真剣に向き合おうと思うのならば、そのことを一番高い優先順位にするという意識を持たない限りできるものではない。人生においてとても大切なことは、優先順位付けではないかと私は考える。

「子どもを肯定して育てる」という姿勢。子どもは親に信頼されることで初めて、己が持つ”生きる可能性”を開花させることができるのではないか。

・子どもが小学校低学年ならば、親と子の時間を作ることをお勧めしたい。親子のよい関係をつくりあげたいと考えた場合に、絶対に成果がある。そのために必要なことは自分なりの哲学を持つことである。親に哲学がなかったら、子供と話すことが見つからないはずである。

親に夢がないから、子どもに夢がない。親が偏差値でしか物事を考えられないから、子どもが偏差値でしか物事を考えられなくなってきている。


◆教育について

・小学校の1年生から3年生までの時期で、理解に対する姿勢がきます。「1個くらいわからないのはしょうがない」と、理解が90%くらいでよしと思う子どもは、学年が進むにつれて、わからないことがどんどん広がっていく。「わからないことは、一つあっても絶対いけないんだ」と、100%理解しないとダメと思う子どもは、中途半端な理解を許せない子どもと成長していく。この許せないという感覚を身につけることが大切なのである。

・子どもたちが、すべてをわからなくても喋り続けること、これが教育の原点だと私は思う。目の前にいる子どもに対して、「理解しているのだろうか」と推し量り、レベルを上げたり下げたりはしない。その子を信じて、繰り返し言い続けるだけである。

・大事なことは、ノウハウを語るのではなく、「なぜなのか」を常に言い続けることなのである。ノウハウだけを言っていると、言われたことをやればいいんだという浅い考えになりがちになるが、「なぜなのか」を言い続けることは、深く考える習慣を子どもたちが身につけることになるのである。常に聞き続けることで、彼らのイマジネーションがどんどん広がり、深く考えるようになる。それが教育ではないかと思うのだ。

・「教育」というのは、どこまでいっても一対一なのだ。


◆家庭・家族とは

・家庭と仕事にボーダーラインは存在しない。私にとって一番大切な存在は、まぎれもなく家族であり、家族のことを考える時は至福のひと時である。

・家族は、いつも楽しい。私にとって一番大切なのは、まぎれもなく家族だ。家族といって浮かぶ情景は、いつも幸せそのものである。幸せでないことなど、一秒もない。


◆人生とは

・もしも明日に、今日と同じ日が用意されているとしたら、私は今日と同じ過ごし方をする。私はそういう時間との付き合い方をしている。一日を一生とする心構えだ。

・身近なものを今一度、見直す必要がある。身近なものがもつ価値を見失ってしまうのは、あらゆることに感謝する心が失われているからかもしれない。私たちが健康であり、仕事ができ、会社が存在すること、そして家族がいて、友達がいることを当たり前とせずに、つねに感謝の気持ちを持ち続け、感動する心を持ち続けたい。

・人生の頂上は地位、名誉、お金などでなく、目指すべきは、人格という頂上。広く深く世の中に役立つという頂上なのである。そのために、私は良心と恥ずかしいと思う心を大切にしている。