あって当たり前

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■[通信]ユニバーサル・サービス基金について

先日、id:bighead氏がexaggerationのなかで

キャリアはビジネスとして携帯電話事業に取り組んでいる。

でも、もはや現代人にとって必需品となっている携帯電話を、住む地域によって使えないとすることはどうしたものでしょうか。

インフラという社会的価値が大きいものを背負っているのであれば、なおかつ「ユビキタス社会を目指す」「新しいコミュニケーション文化の創造を目指す」「好きなときにどこからでも連絡できるように」とうたうのであれば、FOMAなどへの移行よりも先に、全国各地にインフラを巡らせて欲しかった。重要なのは、(携帯電話を使えないエリアに住んでいる)彼らにも携帯電話を使うか使わないか、という選択権を与えること、だと私は思います。

その責任が各キャリアにはあると、強く思います。

と主張されていました。

その意見にぼくは非常に共感していますし、キャリアにその義務がな

いことに矛盾すら感じます。

ユニバーサル・サービス

ユニバーサル・サービスとは、すべての人が、どこに住んでいても同じ合理的な料金、同じ品質でサービスが受けられるという概念を指します。

その代表的なものが東西NTTの加入電話、公衆電話、他の業界だと郵便局であったりするわけです。

何かおかしくないですか?

加入電話や公衆電話にユニバーサルサービスの義務があって、携帯電

話にはない。どう考えても現在の通信手段において、携帯電話の存在の方が必需品になってきているのに。

市場も比べるまでもなく携帯電話の方が大きいのに。

そういうわけで、携帯電話にユニバーサル・サービスの義務がないのはおかしい、全エリアでサービスが使えるようにする責任が各キャリアにはあると思うわけです。

それが日本の通信インフラ全体の向上につながるはずなんです。

ユニバーサルサービス基金

さて、話をユニバーサル・サービスに戻します。

東西NTTの加入電話サービスは、どんな山奥でも離島でも全国どこでも使えるようになっています。先ほども言ったように、これは「ユニバーサル・サービス」として定められているおかげです。

事業的に儲からない不採算エリアであっても、ユニバーサル・サービスを提供しなくてはならないのです。そのため、都市部で得た加入電話の黒字で離島などの赤字分を埋め合わせています。

なので不採算地域が多いNTT西日本は東京など大都市圏をエリアにもつNTT東日本から補助金ももらっています。なら別会社にした意味ないじゃんと思われる方もいると思います。その通りなんです。その話はまた今度にしましょう。

話を元に戻して、
東西NTTはもう公務員ではないんです。不採算地域でサービスするほど利益があるわけでもありません。

そこでできたのが「ユニバーサル・サービス基金」という制度。加入電話網に接続する通信事業者と東西NTTがお金を出し合う基金制度です。このお金を使って、ユニバーサル・サービスを提供するためのNTTの赤字分を埋め合わせるということです。

「じゃあ、NTTなんにも損してないやん。むしろお金もらっていっぱい仕事できてラッキーやん」

そう思われるかもしれません。でもそれは大きな間違いなんです。

ここが変だよユニバーサル基金

主におかしいとされている部分が2点あります。

まず一つめは

「もらう側の自分たちも基金にお金を出さなければならない」という

点。

もう一つは

「電話事業がトータルで赤字になった場合だけ」という点。これはおかしい。

たとえば今スマトラ地震の募金がありますが、赤十字社が自分自身で募金しなくちゃいけないとか、赤十字社が赤字になったときにしかそのお金を寄付に使えない、とかそんなバカな話はあるはずがない。

それに対してライバル各社は「使えない方がコスト削減の意識が強く働く」なんてことを言っています。

こんな論理は矛盾してます。

見直し

この制度は始まってから2年が経過しており、ちょうど今が見直しの時期だとされています。総務省で今年の秋まで議論が続くとされていますが、一体どのような結論が出てくるのでしょうか。

最後に、この記事は日経コミュニケーション1/15の「この一語」を大いに参考にして書かせて頂きました。

■コメント(復旧)

#bighead『よーするに、ユニバーサル基金は年金みたいなもんってことですか?というか、赤字になった場合だけ補填されるってことは、現在はお金が出ていってる一方ってことですか?確かにすれはおかしいですね...。NTT西日本に限って言えば、ただでさえマイナスなんすよね?変なの。』

#daichi-55『そやねん。不採算地域のサービスについてはお金が出ていってる一方。いくら不採算地域が多いNTT西日本っていってもトータルでマイナスにはならへんから、ユニバーサル・サービス基金は使えへん。うーんこの制度はやっぱおかしいよなぁ~』

#bighead『確かに。何の為にプールしてるのか意味が全く分からないですね。ちなみにどのくらいの額が払われているのですか?』
#daichi-55『いや、今調べたら2002年に100億円ほどNTT西日本には支払われているわ。もうちょっと調べて出直してきます。でもその試算がまた複雑で・・奥が深い、』

#/com『素朴な疑問やねんけど、みんなはユニバーサルサービスの実現についてどんな風に考えてるんかな?サービスを提供していく会社の立場になってみると不採算な地方に莫大な投資を行うのは自殺行為やし、会社が成り立っていくためにはユニバーサルサービスに対してネガティブになるのが当たり前やと思う。けど個人的には通信の発展てビジネスのツールじゃなくてやっぱり話す=コミュニケーションの確立ってのがあるし全国どこにいても確立されるべきやわ。て個人的な意見ですみません・・・』

#bighead『過疎地域に住む者としての意見ですが、ユニバーサルサービスは絶対になくしてはならないものだと思います。非過疎地域に住む方に取ってみれば実感しにくいことかもしれませんが、本当に不便でならないんですよ、通信がないと。確かに、不採算地方に投資するということは、首を絞める行

 

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_/\/大地山椒\/\_

為であるかもしれません。が、逆の発想はできないでしょうか。採算が取れるからサービスを行うではなく、サービスを行うことで採算が取れるようになる、ということができるようになればNTTもネガティブな姿勢にならないかと思います。つまり、過疎地域に通信手段を提供し、それに付加する優れたサービスを提供すれば、そこにビジネスチャンスを求めていろんなビジネスが集まったり、始まったりするかもしれない。そんな風にして全国に広まればなぁと思っています。現実的ではないかもしれませんが...。以上、個人的意見。長文すみませんでした。』

#daichi-55『もちろん、通信の整備はユニバーサル・サービスであることに間違いはないと思う。でもその責任を企業に求めることはまた違うと思う。サービスを行うことで採算がとれるようになればいいって言うけれど、通信のビジネス特性を考えた時、その理論ってのはきれい事でしかない。やっぱり通信はマスのビジネス。付加価値をつけるといっても、利用者が少なければ通信のビジネスは成り立たないのは明らかやと思う。だからどちらかといえば、この議論は国の責任っていう風に持っていったほうが受け入れやすいのかもしれん。全国くまなく通信ができるようにすることは国のインフラ基盤を強めるという意味で非常に重要なこと。だから各企業が不公平なくユニバーサル・サービスをできるような環境をつくっていくことが最良やとオレは思う。以上、個人的な意見でした。』