電話の会社、やめました

今日、学校で電子自治体の講義を受けている際、bighead氏に「NTT東西もこんなんやってるんすね?コムだけやと思ってましたー」っていうギモンをぶつけてもらいました。

ので、就職活動に向けて業界研究している人のため、また通信業界の現状を知りたいと思っている人のため、今日は通信事業者のソリューションサービスの現状についてつらつらと書いていきたいと思います。

いつもにまして、今日はマニアック度が高いので、通信に興味がない人は今日は他のページに行かれた方がいいんじゃないかと思います(笑)なお、最初に書いておきますが、今日のblogは日経コミュニケーション10/15号「もう"線路屋"とは呼ばせない!」を参考にして書いています。

変化を求められる通信事業者従来のシステム構築では、回線サービスは通信事業者に、情報システムはシステムインテグレータ(以後SIer)やコンピュータ・メーカーにそれぞれ発注する形が一般的であった。

だから、通信事業者は回線サービスに専念していればよかった。しかし、IP系の回線サービスが主力になり、ユーザーはネットワークと情報システムを一体化して考えるようになった。こうした背景があり、状況が大きく変わってきた。

また、回線サービスが低廉化し、事業者の選択だけではコスト削減に大きく寄与しなくなった。SIerは自社のサービスに回線サービスを組み込み、提案力を武器に通信事業者の既存ユーザーを奪いつつある。

加えて、通信事業者の屋台骨である固定系の収入がここ数年下がり続けているのも見落とせない。NTT東日本は700億円、KDDINTTコムも600億円の減収となっている。今後のIP系サービスは収益性が非常に悪く、このままではやっていけそうにない。こうした背景があり、通信事業者はソリューションサービスを提供することにやっきになっているのだ。

通信事業者の可能性

現状ではSIerが大きなシェアを持っているが、通信事業者の今後の可能性は無限大である。まず一つめはシステム構築に置いて、特に最近はネットワークが重要視されていること。セキュリティやネットワークのアウトソーシングニーズが高まる今、回線サービスとデータセンターなどの設備を持つ通信事業者は優位に立てる。ふたつめはシステムインテグレーションの業種ごとのモジュール化やパッケージ化が進んでいる点。従来はゼロからシステム構築をしていたため、ソリューション市場に参入するためにはそれなりの経験が必要だった。

最後は企業規模。最大手クラスのSIerであっても年間売上高は8000億円規模。一方の通信事業者は1兆円を越える企業がズラリ。企業体力もマンパワーも高いポテンシャルを持つ。

そうした点を踏まえ、一部のSIerは「通信事業者は今後、大きな脅威になる可能性がある」と警戒し始めている。事実、最近ではRFP(リクエストフォープロポーザル、つまり提案依頼書。)が5社に配られる際(これをもとにシステム案を出してプレゼン合戦する)にはNTTグループが確実に入ってくるようになったと言われている。各通信事業者のソリューション部門の現状比較やはり通信事業者のソリューションはデータセンターやセキュリティ、回線の管理といったネットワーク基盤に近いサービスを提供している場合がほとんどである。

ただし、NTTグループのみ、ERPやEDI(詳しい用語説明はインターネットでおねがいします。)といった業務アプリケーションまでも提供している。

ソリューション事業に携わる社員数ソリューション事業に携わる社員数は以下の通りとなっている。業務アプリケーションまで携わるNTTグループはやはり人員も豊富であることが分かる。

NTT東日本約2400人
NTT西日本約6500人(各支店のソリューション部門を含む)
NTTコム約5~6000人(社外も含む)・日本テレコム約400人

ソリューション部門における売上高
NTT東日本約800億円(2兆2671億8300万円中)
NTT西日本約1000億円強(2兆1668億5200万円中)
日本テレコム約130億円(3116億円中)

これらに対して、SIer最大手NTTデータは8467億500万円。まだ通信事業者はSI大手の一角に入り込めていないのが現状だといえる。NEC富士通、日立、日本IBMといったメーカー系大手インテグレータと競っていきたい通信事業者にとっては、まだ道半ばといえる。

今後通信事業者はそれぞれ、「電話屋」「線路屋」という壁を乗り越えるべく、企業の体制を一気に変えようとしている。

タイトルに挙げた「電話の会社、やめました」はNTT西日本の新卒採用に当たってのキャッチフレーズ。電話部門での大きな収益に頼るのはもちろんのことだが、ソリューション部門をもう一つの目玉とするべく努力している。
通信業界、そろそろおもしろくなりそうだ。

■コメント(復旧)

#フレッツ『おれも読んだ読んだ!そろそろ、ソリューション事業が表舞台に出てきたって感じやね。ソ営志望としては、ドキドキもんです。前回のネタやけど、マイラインとプラスでは、通話料的には差がでんの?プラスの人のみに適用される割り引きサービスがいくつかあるはずやから、結局は通話料を安くしたい人は、自分の使用スタイルに合った会社のマイラインプラスに入って、割引サービスを適用するんが一番いいんかな?ところで、今回のブログの「NTT東西もこんなんやってるんすね?コムだけやと思ってましたー」の、「こんなん」てどんなん?教えてちょ~。&機会があれば、それぞれの電話会社の特徴とか、こんな人はこの会社がオススメ!みたいな解説をよろしくです★』

#d@朝からバイト中『お互い第一志望の配属が通ればええな!配属先なんかどこでもいい。...かな、マイラインやけどやっぱ国際は国際に強い会社、市外はフュージョンとか距離に関係なく一定金額の会社に、ちゃんと節約考えて決める場合はマイラインプラスでええやろね。でもマイラインはとりあえずNTTでーとかいう人とかはマイラインの方がええよなぁ~電話会社の選び方、また後日書きますわ~』

#あっ、追加『冒頭の会話は(Nコレのパンフを見て)NTTもこんなん(電子自治体ソリューション)やってるんすねぇ、って意味でしたー昨日の通信産業論、電子自治体やったねんー』

#bighead『なるほど、納得...できるかー!ややこしい...。いや、理解はできたんですけどね(どっち?)。そうか、ソリューションの部門で活路を見いだそうとしているわけですね。なんとなくNTTの明るい将来が見てたような気がしました。』

#d@もうすぐ休憩『やっぱりややこしかったかー日経コムがクソマニアやしだいぶ崩して書いたつもりやってんけどなぁ~努力します...でも実は決してNTTの明るい未来ではなくて、ただこれから向かわざるをえない方向って言った方がええかもな~』