怪物NTT

■[通信]NTTの宿罪

 

巨大独占 NTTの宿罪

巨大独占 NTTの宿罪

 

昨日、この本を購入した。どうせまた「NTTを殺したのは誰か」なみの偏向した本だろうな・・とか思いながらついつい衝動買いしたけど、この本はそうでもない。
やはり日経新聞の元記者でNTT分割の際もスクープしたということで読んでみるとなかなかおもしろい。

まだ、序章と一章しか読んでいないが、自分の中での整理も兼ねてまとめてみる。

まず今日は本の紹介と序章の要約から。この本について。(Amazonより引用)

巨大独占企業NTTがもたらす問題点を様々な角度から検証する。2004年3月期決算で、NTTは営業利益が過去最高に達するなど業績好調だった。しかし、和田紀夫社長は、NTT東西地域会社が扱う固定電話の減収などを理由に、「経営環境が厳しく、これからが苦しい」と主張した。

NTT東西は固定電話料金を世界有数の高水準に維持する一方、ADSL(非対称デジタル加入者線)などの新収入源を育成しており、決して弱くなどない。著者は、料金制度などで強みをそがれることを恐れるNTTが、あえて“弱者”を装っていると指摘する。

急成長したADSL分野でも、全体の96.5%のシェアを占める上位5社のうち、NTTグループが3社も入っている。NTTグループに挑んだ独立系の通信会社は、短い期間で経営破綻したり、NTTの軍門に下ってしまった。

そして今、NTTは光ファイバーを次世代通信の中心に位置づけ、高速通信分野で電電公社時代のような圧倒的な巨大独占を再現しようとしているという。IT(情報技術)が産業の生命線になっている現在、NTTの巨大独占による非効率・非合理性を放置すれば、日本の国際競争力は内側からむしばまれてしまうと警鐘を鳴らす。

・NTTが持つ莫大な資産

NTTは生粋の民間企業では考えられないほどの莫大な資産を持っている。それは固定電話網の98%や光ファイバー網といったインフラだけにとどまらない。

まず「洞道」と呼ばれる通信ケーブルを収容するための地下トンネル。地下鉄開業よりも早くに敷設されたため、東京では旧本社がある日比谷から研究所がある武蔵野市まで地下トンネルで歩いていけるほどあるという。

大阪にはJR環状線に匹敵するほどのループ上のトンネルを持っている。驚くのはその強度で、テポドンミサイルが撃ち込まれてもビクともしない核シェルター並の強度を備えている。

洞道の総延長は東京から兵庫県姫路市までの距離がある。国営時代に3分の2が建設された。それに加えて「管路」という光ファイバーを通す土管も所有しており、その総延長はなんと地球と月を2往復できるほどの長さ。

次に土地。先日、NTT都市開発が上場することが決まったが、これもまた恐ろしい。バブル崩壊以降に各社が売却する中で時代に逆らって攻めの経営を展開した。

その結果、現在の保有資産は時価換算で1兆円前後と三菱地所三井不動産に迫る勢いだという。こうした国から受け継いだ莫大な資産を持っていることに、著者は「NTTをただの電話会社だと思ってはいけない。」と述べている。

・NTTが持つ力
次に筆者が指摘するのは権力。まずはNTTの政治力。

昨年の「通信網の開放義務」緩和を求める決議案が簡単に可決されたのもNTTを支援する「郵政族」「若手族議員」の献身的根回しがあってこそだと主張する。

NTTは民間企業になったのに、普通の企業では認められない「政府委員バッジ」をつけて幹部が永田町を闊歩しているという。他にも俗にNTT学会と呼ばれている日本最大の電気通信学会に影響力を持ち、公正取引委員会でもNTTの息がかかった学者がNTT擁護論を展開するなどといった現実をあげている。

・“怪物”
そして、筆者はNTTが日本最大の株式会社であることが強調されていない、と主張する。

株主総数はトヨタの3.5倍、売り上げ規模や人員もトヨタに匹敵する。なのに「弱っているふり」をしながら「一般企業並みのフリーハンドを手に入れようと」していることに対して強い危機感を持っている。

こうした独占の結果、固定電話料金が世界2位の高水準で高止まりし、諸外国であれば無料で当たり前のナンバーディスプレイなどの付随サービスが有料とされていることを指摘する。

そしてこれまで100年間独占だったNTTが次の100年間も独占を維持するためにNTT東西の再合併や光ファイバー網の開放義務撤廃など多様な作戦を練っており、そうした独占が日本の国際競争力を内側から蝕んでいくと警鐘を鳴らしている。

序章を読んで。

これまでNTTよりの立場で考えてきたが、このようにあらためて「事実」を羅列されると正直目からウロコの部分があった。

それは「光ファイバー貸し出し義務」について。これは「電力会社の方が回線の総延長が長いのに、NTTにだけ規制をかけるのはおかしい」という論議

それについて自分は、てっきりNTTが保有する光ファイバーの方が少ないと思いこみ、反対してきた。しかし、実際は「NTT一社の光ファイバー」より「全国の7つの電力会社の合計」が長かっただけというわけのわからない主張(総務省幹部)だった。

自分自身もNTTが作り出した「弱いフリ」にだまされていたのか・・まぁでもこの本だけで信用するのもあれなんでまた客観的に調べてみることにしよう。

そのほかにも、ドコモから日立の機種が出ない理由が、日立がNTTから締め出しをくらった過去を引きずっているからだとか、いろいろおもしろく読めた。

序章だけでこれだけの内容が詰まっているこの本、なかなかおもろい。さぁ今から2章を読みます。

■コメント(復旧)

#bighead『すげー!この本面白そう!NTTに対する考え方がコロッと変わっちゃったりして...』

#daichi-55『ひたすらアンチな本はおもんないけど、こういうアンチは結構ありやわ。なかなか見方が深くなるわ。マスコミもやっぱあんだけ提供受けてるとダメだしできひんみたいで、加入権問題も結構封じられてるみたい。読み終わったらまた貸すわな!これ読んだら次はソフトバンクの本も読んでみるとするかな。』

#bighead『おお是非レンタルよろしくお願いします!日立ってそういやauだけなんやなぁ...日立の機種は大変優秀です。バグが多いイメージがあるけど、バランスはauの中でトップだと思います。いや、そんだけ( ゚Д ゚)』

#.com『最近は本読む機会が少なくなってきたし、俺も購入して読んでみます。d-55が言うようにこの本だけで判断するのは難しいけど、最近NTTは弱体化してきてるんやろうなと正直思ってました。けど、実際は昔も今も巨人やったてことか。』

#daichi-55『確かに数字として去年過去最高の利益を出したこととか、主要通信会社で売上高世界1位(ボーダフォングループの倍)っていうのは”事実”として知識にしたらええと思う。でも本当に「弱いフリをしている」っていうんかどうかとかってのはあくまで筆者の意見やし鵜呑みにはせんほうがええかもな。これはマストバイや。文系理系の派閥とか、労働組合の存在とか結構勉強になるよ。』

#.com『d-55が言ってる文系理系の派閥ってのは、会社内で組織されている派閥ってこと?てかd-55は通信業界の著書をどこで購入しているん?学校とかでは売ってへんし。でもこの前たまたま購買でデジタルデバイトに関する本があったし購入してみようかと思います。』

#bighead『そりゃあ当然amazon.co.jpで購入でしょう。あれ?』

#daichi-55『amazonも多いけど、ブックファーストとかいろいろやわ~昨日は紀伊国屋いったし。本屋は3日に1回は行くし、見つけたら即買いみたいな感じやわ。そのおかげで本増えすぎた。』

#bighead『プラッツのとこですか。あそこはめちゃでかいっすからねー。俺はむしろその一個上のフロアに行くことのほうが...行ったでしょ?行ったやんね?』

#daichi-55『プラッツの上は旭屋やな。紀伊国屋は梅田か三条やで~旭屋行った時はも、もちろんです。祖父地図万歳(笑)』

#mucholino『DELLのアダプタのリコール、俺の機種は関係なかったよー。98-02年までに生産された機種が対象でした。火が出たり、感電するらしい・・・。』

#da1chi@バイト先『→ムチョそんな前のやつやったんか~あの対象台数見て、もしやっ!って思ったけど安心やな→コム派閥の質問答えるの忘れてたー社内のいざこざがあるみたいやで。そやし社長も文理交互でグループ会社の社長の文理の割合も半分や...』