16歳の教科書


情熱大陸を見て買った「16才の教科書」。


各方面の著名な先生方が受験勉強前の高校生に対して「なぜ学ぶのか」「何のために学ぶのか」という視点で講義してくれるといった内容になってます。すでにプラス10以上歳をとってしまった自分でもためになることがたくさんありました。

気になった箇所をメモ。

●国語  金田一先生(日本語学者)
国語力を鍛えるトレーニング方法として「絵を言葉で書いてごらん」と言ってます。その時の注意すべきルールは自分の意見を一切入れないこと

詩を読んで欲しい。詩人というのは、「その言語の最も美しい部分」を取り出すことができる人。谷川俊太郎さんはその最たる例

大切なのは情緒より論理という原則。それがなければ文体も生まれない。

●数学  鍵本先生 高濱先生 塾経営
受験は初めて社会から承認されるとてつもなく感動的な瞬間。

数学は考えることそのものを扱う教科。数字は考えるための道具にすぎず、骨格にあるのは徹底した論理。

数学脳のベースは外遊びにある。小学三年生くらいまでにどれだけ外で遊んだかというのが空間把握力の素地を作る。

現在の教育現場で一番足りないのは「世の中って甘くないんだぞ」という強いメッセージ
ほんとうの教育というのは厳しい社会に出ても食っていけるだけの人間を育てること

●英語  大西先生(教授)
言葉は表現できてナンボ。発信する力があってこそ力。役に立つ英語力。

自分探しが流行りだけど旅行に行ったり習い事を始めるくらいでわかる自分ならいらないさ、そんなもん。

自分を解く手がかりは日常の違和感。誰もが見過ごしている違和感を感じる感度自体が個性。
ふと芽生えた違和感はときとして人の一生を左右するほど大切なもの。

●理科  竹内先生(科学作家)
型破りになるためにはまずは「型」を身につける必要がある。型と型破りが求められる分野こそ科学。

●社会  藤原先生(民間出身校長先生)
あなたの実力の半分は他人の力で成り立っている。どれくらい多くのできるやつを動員できるか。そこが勝負。

何より大事なのは良質な「遊び」。○○ごっこで他人との関係の中で役割を演じながら学ぶことができる。

タテでもヨコでもないナナメの関係がとても大切。これが豊かであるかによって人間の人生のかなりの部分が決まる。
いまの子どもたちは異質な世界を避けて、同質の仲間ばかりでコミュニケーションをしてしまう。

夢なんかいらない。技術と経験を積めば自分の支店が高くなっていく。そして見える世界が変わる。夢だの目標だのは、そこから先に考えても全然大丈夫。

なんのために勉強するか。なんのために働くか。なんのために生きているのか。
それは「クレジットを高めるため」。クレジットとは他人からもらえる信頼や共感、信任の総量のこと。
クレジットを高めることをさきにやってから、夢を抱く方がずっといい。