何のために生きるのか。

読もう読もうと思いながらも、これまで手をつけたことがなかった京セラ創業者稲盛氏の著書。たまたま実家に転がっていたのを見つけて読んでみました。

仏教の教えをもとにした、「人は何のために生きるのか」という稲盛氏の考え。共感できるかできないかはさて置き、日本を代表する経営者の経験に基づいた人生の教えは非常に説得力があります。 

稲盛和夫の哲学―人は何のために生きるのか (PHP文庫)

稲盛和夫の哲学―人は何のために生きるのか (PHP文庫)

 

 気になったフレーズをメモしときます。

人間性を高めるためにわれわれは生きている。人生というものを一言でいえば、「心を高めるプロセスである」といえる。失敗は試練。じつは成功さえも試練であり、創造主が成功させてみて、その人を試しているのです。

・理性で判断し、理性で対応したら誰もついてきません。大事なことは、最初の段階では理性で考え、実際の対応において情をつけることだと思います。

・世の中は善ばかりでいいはずなのに、なぜ悪がなければならないのか。人間が生きていくために、結果として悪を自分で作ってしまっている。悪という影を生じさせるものは「自由」。

自分自身が自由でありたければ、他の人に不自由を強いることになります。こうして、自分が自由を謳歌する影として悪が生じるわけです。

近年、なぜ子供たちが凶悪な犯罪に手を染めるのか。それは現代の子供たちは自由を欲しいままにしているから。自由を尊重する風潮の結果が、何歳になっても自己の欲望を抑えられない子供たちを生むことにつながっている。だから17歳の凶悪犯罪は起こるべくして起こっている現象である。