すべては一杯のコーヒーから

タリーズコーヒー

京都ではわずか4店しかありませんが、そのうちのひとつ、三条店は大学時代のバイト先に程近い御幸町通りにあったということもあり、友人とよく行っていた思い出深い場所でもあります。

店員さんの愛想はいいし、アイスのトッピングとかもできるし、お気に入りでした。

しかし正直、この本を読むまではスタバの成功を参考に、シアトルから来た1チェーン店でしかないと思ってました。

まったく違いますね。スタバとタリーズ

すべては一杯のコーヒーから (新潮文庫)

すべては一杯のコーヒーから (新潮文庫)

 

 スタバが大手資本(カバンとかでおなじみのサザビー)と組んで銀座に1号店を出したのに対し、タリーズは松田社長がタリーズUSAの社長に「タリーズUSAから豆と容器を買う」という契約だけを直談判で結んで自らが何千万もの借金をして銀座に1号店を出しました。

松田社長は三和銀行にいる時に、アメリカのスペシャリティコーヒーを日本で出すことを考えたそうです。

シアトルにいき、数あるスペシャリティコーヒーの中で一番味の良かったタリーズに決め、毎日メールを打つことから契約にまで行き着いたそのストーリーはぜひ、本書の中で。

スタバが上陸すると聞いた時、たいへんショックだったということです。

しかも同じ銀座で、オープン当初から行列ができているのを見て、「自分がやるはずだったのに・・」と悔しかったいきさつが書かれています。

松田社長も本の冒頭で書かれていますが、この本はビジネスのHOW TO本ではありません。社長の生き方・哲学からヒントを感じ取る本だということです。

成功している方に通じるもの、それはやはり夢・目標に向かう情熱ですね。言葉で言ってしまうとそれまでですが、この本から情熱というものの重みを再度認識させてもらいました。

仕事も3年目、しかも新しい部署に転勤して早3ヶ月目ということで良くも悪くも”慣れ”が出てきた面があります。出張や会議などが多い部署でどうしてもそういったものにスケジュールを割かれて、本来なら一番大事であるはずの目的や方向性といったものを見失う、そういったシーンがあるようにも感じます。

自分がこの部署で、この会社で今何をするべきか、そういったものを再度考えさせてくれたこの本には感謝です。

500円で買えますのでぜひご一読をお勧めします。