今日のおすすめは

自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

  • 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2006/10/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 156人 クリック: 3,495回
  • この商品を含むブログ (418件) を見る
 

 名前こそ少し胡散臭いものがありますが、アマゾンの50ものレビュー平均が4.5という高評価どおりの良書です。

先日紹介した『人を動かす』における原則がベースにはなっていますが、箱という独自のメタファーを使ったり、また物語風になっていて内容をこちらに語りかけてくれるような口調で非常にわかりやすくなっています。

この本ばかりは中身をチョイスして紹介するのが非常に難しいのでぜひ買ってみてほしい一冊です。2時間くらいで読み終わる内容で、しかも何度も何度も読みたくなる本(現にぼくも今日で3度目です。)なので

少しでも人間関係でイヤな思いをしたり、相手をイヤな思いにさせてしまった、こんなつもりじゃないのに、といったことがあったときに読めば、必ず何か一つ、気づかせてくれる本です。 

箱の中に入っている状態とは、自分を欺いている状態を指します。自分を欺いているというのは、自分の感情に背くこと

例えば、Aさんが妻と2人で寝ている時に赤ちゃんが泣き出すとする。そこで、Aさんは直感的に「あやさないと!」と思うんだけど、寒いし、明日も早いしベッドに入ったまま放っておいた。すなわち、じぶんがこうすべきだと感じたことに逆らって行動した。

そこで、Aさんは妻に対してどう思うか。怠け者・鈍感・寝たふりをしてる、すなわち「ひどい妻」だと解釈する。

ではそこで、自分のことはどう見るのか。

「眠らなくてはならないのに、眠らせてもらえないかわいそうな男」

すなわち「被害者」であると解釈する。

しかも翌朝の仕事がさぞ重要だという風にすら思えてくる。

子供に対して敏感な自分をよい父親と思う。

こういうふうに感じたり思ったりした結果、それは自分を正当化する理由になり、寝たままでいいんだという確信に変えていく。

いったん自分の感情にそむくと、すべての思考や感情が何をしようと自分が正しいと主張し始める。

これがまさに人が箱に入る瞬間。

誰もがこれと似たような経験があるんではないでしょうか。

かくある僕も上司に対して、先輩に対して、彼女に対して、自分自身を正当化して、相手を批判してしまうなんてことは本当によくあり、いつも後悔します。

本書では、このほかに、箱から出る方法、そして箱から出続けられる方法、そうした内容が語り口調で非常に分かり易く書かれています。

たぶん、読みながら自分の痛いトコロをチクチクされる気分になるはずです。

一読を、いや、本棚にいれておくことをオススメします。