若者はなぜ・・

もうすぐ転勤を控え、今後についても何かと考える時期。

転勤族という自分の運命を踏まえて今後どのような人生にしていくのかを思案しているところです。

そんなおり、ふと京都駅の本屋で手に取った本がこちら。

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

 

感想としては、漠然と抱いていた会社に対する閉塞感や不安が明示されることで恐れに変わる、そんな内容でした。

だからどのようにすればいいのかといった攻略テクニックはあまり書かれていませんが、この現実をまずは知ることで自分自身のキャリアがより明確になることは間違いないと思います。

【essence】

 日本社会の特徴・現実

定期昇給は廃止済みであり、30代後半で給料は頭打ちになる。あとは管理職ポストに上がるしか、大幅な年収アップは望めない。にも関わらず、「贅沢は40過ぎるまでガマンかな」といった考えがあり、年功序列が前提になっている。「○○は30でいくらもらえますか?40ならいくらくらいですか?」という就職活動中の学生の質問ですら、すでに年功序列が存在しているとの思い込みがある。

・社会的に知名度のある会社に長く勤務している、それが高く評価される”昭和的価値観”がいまだに日本社会を包んでいる。この価値観にとって何より重要なのは本人の能力や収入ではなく、年功序列というシステムに乗っかっているかどうかである。 なぜ3年で3割が辞めるのか?について・転職市場の成熟(10年で10倍)という要因が作用していることは否めない。しかしながら、「市場ができたから売り手が生まれる」などということはありえない。

・学生が「わがまま」「忍耐力不足」になっているのが原因。

・「わがまま」になったのは採る側の人材に対する考え方が一変したこと。そつなくこなせるタイプ(年功序列に適する)から職種別のピンポイント採用になった。「具体的に何がしたいですか?」「その仕事を通じて実現したいことは?」といった質問に明確に答えられる学生のみを採用する厳しい選考を勝ち残るために学生が進化した。その結果、これがしたい!と言ってのける後輩は「わがまま」に映る。

  ・「忍耐力不足」は能力を発揮する機会がないから。日本企業の年功序列という制度のもとでは、報酬はもちろんのこと、権限も年齢で決まる。年齢で決められた序列を最優先に業務が割り当てられるため、末端の社員に下りてくることには単純な作業に成り果てている。それは「若い頃我慢したことが将来出世して返ってくる」という考えで成り立っている。しかし、年功序列というレールは崩壊している。すなわち、今の若者は下手をするとただの下働きで生涯を送る可能性がある。

成果主義の導入と声高に叫ばれるが、これはあくまでも年功序列制度のレール上で実行されているのが重要な点である。飛び級なんて滅多にない、新人は一番下のクラスから一段ずつこつこつやっていく点も変わらない。上の序列に行くために「A評価を2回以上」のように、”年”より”功”の部分に重きを置くようになったというだけの話。

・そんな若者がやるべきなのは”心の鎖”を解き放つこと。固定観念を捨てて、「なんのために働くのか」という失われた動機を取り戻す。自分の乗ったレールはどこに通ずるのか、自分の欲するものは何なのか。もしそれが自分のレールの先になさそうだ、と感じるのなら自分で主体的に動き始める必要がある。社内制度を利用したキャリアチェンジ、転職を考える。

 

目から鱗の部分も多々ありました。

自分自身がどこかで感じていたような疑問点や閉そく感といったものをズバリと言い当てられた気分になる。

うちの会社は入社5年~10年世代が極端に少ない。だからこそ入社5年未満と入社10年以上の大きなギャップ・温度差を感じていた。

その正体はこんなところにあったんだなぁとしみじみと理解した。